「1人が3社のトップを兼ねるのはガバナンス上あり得ない」取締役協会・宮内会長が日産問題に言及
上場企業・大会社の会長、社長、取締役、執行役、管理職を対象に、コーポレートガバナンスの情報・知識を提供する集まり、日本取締役協会(JACD、宮内義彦会長<オリックス シニア・チェアマン>)が、5月14日、帝国ホテル東京にて「第17回 定時会員総会」を開催。総会に先立って行われた定例会長記者会見の席上、昨今コーポレートガバナンス上でもっとも世間の耳目を集めた日産問題について宮内義彦会長が言及した。
宮内会長は「個社の状況に関してコメントするのは、立場上あまり好ましくない」と前置きしたで、「1人がグローバル企業3社のトップを兼ねるというのは、コーポレートガバナンス上、ありえない組織形態だ。それをゆるしてきた株主、おかしいと叫ばなかったマスコミにも問題がある」。
JACDは今年度の活動として、CEOの在り方、独立取締役の役割の2つのテーマのレポートを公表する予定だ。17年間の活動から、コーポレートガバナンスを改革するためには①トップであるCEOの強い意志あるいは②社外取締役の自覚した役割の遂行のいずれかが必須の要件という結論に至ったからだ。
日産のコーポレートガバナンス上で注目された独立取締役に関しても所見を述べた。
JACDは2013年10月から、独立取締役のデータベース化、運用を開始している。上場企業の社外取締役、社外監査役に就任者を中心に、経営者、OB と大学教授、公認会計士、弁護士、コンサルティング専門家など約300名が登録。年間7、8 名。通算で 30名程度の紹介実績がある。
しかし、このサービスはJACD会員企業のみが対象で、日産は現在加盟してない。
宮内会長は「われわれは仮に非公開企業であっても、常に門戸は開いている。コーポレートガバナンスに対して意識が高い会員が集まっているので、敷居が高くなっているのかもしれないが、まだまだ大きな動きには至っていない」と説明した。
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