「2019年度次世代自動車セミナー」軽自動車を教材にしたエーミング実習 あいおいニッセイ同和自動車研究所
あいおいニッセイ同和損害調査のグループ会社、あいおいニッセイ同和自動車研究所では、東富士センターなどで、整備事業者を対象とした「次世代自動車セミナー」を開催中だ。
鈴木正恒技監は次世代自動車整備に求められる技術力として、①電子制御系整備力 ②エネルギー多様化対応電動パワートレイン整備力 ③自動車基本機能整備力の3点を挙げた。
「国が安全サポート車として、先進安全自動車(ASV)の普及に取り組み始めた現在、ASVを整備するメカニックも勉強しないといけない。単に頭だけに知識ではなく、操作・作動の体験を通じた正しいシステムの取り扱い説明が、お客さまに対して求められます。また、ADAS(先進運転支援システム)センシングデバイスのターゲット検知原理を理解したうえで、エーミングやキャリブレーション作業を適切にできる技術知識を修得する必要がある」と述べた。
こうした考えから「2018年度次世代自動車セミナー」は、座学として①次世代自動車同行 ②ASVセンシングデバイスの検知原理について。実習としては①ACC完成検査走行テスト要領 ②5#プリウスのエーミング作業練習 ③インテリジェントクリアランスソナー搭載車両 ④三菱アウトランダーPHEVを使ったミリ波レーダー走行キャリブレ―ション作業練習のプログラムで研修を行った。
「2019年度次世代自動車セミナー」では、「現場で軽自動車の入庫が多い」(鈴木技監)という声を踏まえ、内容をステップアップ。
実習車両として、ダイハツ車のスマアシⅡを使ったレーザーレーダーエーミング調整作業、レコグニッションカメラ光軸調整作業、スマアシⅢのステレオカメラ光軸調整作業。スズキ車のデュアルセンサーおよびデュアルカメラの光軸調整から走行自動調整作業を行う。
「CDR900」を15台先行導入
2018年12月の「道路交通法改正試案」で、の本でもレベル3以上の自動運転車における記録装置の義務化が検討されている。
こうしたなか、注目を集めているのが車載イベントデータレコーダー(EDR)。EDRとは飛行機のフライトレコーダーの役割に例えられ、事故発生時に車両の挙動などのデータを記録する装置。EDRのデータを読み取り、レポート化する装置がクラッシュデータリトリーバル(CDR)だ。
しかし、装置を使ってデータを読み取ることができても、その何十枚におよぶCDRレポートを解析するのは専門の知識を有するCDRアナリストに頼らざるを得ない。
あいおいニッセイ同和損害調査では、他社に先駆け、2017年10月からCDRアナリストの養成を始め、現在20名を抱える。すでに全国14業務部へ配置され、すでに212件の事故調査を担当。2019年には145件を手掛けている。今後、自動運転車における記録装置の義務化に伴い、調査ニーズはさらに拡大していると予測する。
さらに、EDRのデータ活用に取り組むリーディングカンパニー、ボッシュ製「CDR900」(=写真)を15台先行導入。最新機器を用いたCDRデータ蓄積と検証を推進している。
「CDR900」は2018年以降、次世代通信技術対応の為、国産、欧米車含めた幅広い車両において、CDR900での対応が拡大している。日本市場でも同様の流れとなっており、順次国産、欧米車含め、複数以上の車両メーカーがCDR900対応となる予定だ。
最高技能レベル「マスターアジャスター」
CDRアナリストは、現在、日本損害保険協会に約8000名が登録しているアジャスターのキャリアアップのひとつに位置づけられるが、あいおいニッセイ同和損害調査では独自にアジャスター資格として「マスターアジャスター」を設定している。
同社はアジャスターをC→B→A→Mランク付けしているが、Mクラスに相当する最高技能レベル「マスターアジャスター」はわずか2%。技術調査部長が選任するもので、「マスターアジャスター」には①高額・特殊事案対応 ②技術力けん引 ③次世代育成の3つの役割が求められる。
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