2024年「エーミング」義務化に向け整備事業者の「ノアの箱舟」になるか 一般社団法人日本技能研修機構

            「エーミングジャパン」第1号店の横浜商工での実演

 現在、全国に自動車整備事業者は、車体整備3万5000社、自動車整備9万2000社、合わせて約11万社(重複含む)と言われている。

 足元の新型コロナ対策に加えて、整備事業経営者には避けて通れない頭の痛い問題が起きている。

 4月1日から、改正道路運送車両法の施行に伴い、2020年特定整備制度がスタート。先進運転支援システム(ADAS)に対応した整備要件が新たに定められたほか、自動運転レベル3以上の自動運転車に搭載された「自動運行装置」も規定され、整備事業者にも自動運転に対応せざるをえない状況が起きている。

 新たに始まった電子制御装置(エーミング)整備では、センサーが装着されている部品(フロントバンパー、フロントガラス等)の交換・脱着の際にはセンサーの軸合わせの作業・エーミング調整作業が必要不可避な作業となった。

 2024年4月から始まる車載式故障診断装置(OBD)車検で、先進安全技術のエーミング作業を省略した車両は車検に通らないことが決まった。

 今後発売されるほとんどの新車には、ADASが装備される。つまり、経過措置期間が終わる2024年4月までにエーミング作業をできる体制を整えなければ、自動車整備事業者として生き残っていけないことになる。

 こうしたなか、特定整備の中のエーミングについて、技術、情報、整備を提供する目的で、一般社団法人日本技能研修機構(JATTO、石下貴大代表理事)が、今年2月に設立された。

 JATTOの活動内容は、①電子制御装置整備に関わる調査・研究及び電子制御装置整備作業事業者支援 ②電子制御装置整備に関わる情報交流・情報発信・情報提供・情報提案 ③技能実習制度に沿った国際貢献支援・技術力向上に寄与した研修等の開催 ④自動車整備及び車体整備技術向上に必要な活動全般 ⑤自動車整備機器工具の設計・製造及び販売・斡旋 ⑥その他この法人の目的を達成するために必要な事業。

 JATTOが描く構想は「かつて存在した地域の協同組合をイメージ」(藤田隆之理事)。

 エーミング作業に必要な設備と技術水準を備えたプラチナ会員(国産車およびベンツ、BMW、VW、ゴルフ)200社とゴールド会員(国産車)300社で、全国500拠点「エーミングジャパン」をネットワーク化。それ以外のエーミング設備を持たない一般自動車整備事業者とマッチングを行い、共用契約を結ぶことで、エーミング作業を行う。(なお、マッチング手数料は無料)。

 このスキームを活用すればエーミングに関する多額の設備投資を自社で賄わなくても、エーミングに対応可能になるというわけだ。

 拠点は自動車保有台数15万台につき一社。拠点同士は15㎞以上離す。

 プラチナ会員は入会金10万円、年会費12万円、ゴールド会員は入会金10万円、年会費6万円。現在、会員は40社、加入検討中23社

 「現在の会員は、部品商が3分の1で、資金力がある車体整備事業者が3分の2です。すでに10拠点が稼働中です」(石川明男理事)。

 7月1日から31日まで、第2次以降の申請受付中だ。

 さらに、JATTOではエーミング作業の地域料金の統一を掲げる。

 エーミング自体の認知が不十分な現状では、料金や作業時間がブラックボックス化しているのが実態。そこで、JATTOが提供する作業工程、料金体系を会員に遵守させ、その「機構料金」に対する会員独自の値上げ、値下げを禁止することで、適正化を図る。

 納期に関しても、8月上旬完成予定の「ADAS受発注管理システム」を活用して、受注受付および完了連絡まで2営業日と定めた。

 エーミング「推奨機器」 

 現在JATTOでは、会員の中から①高い業務品質②最新機器に作業効率 ③幅広に対応車種(輸入車など)、優れた最新設備・技術をもった企業を選び「最新AC(エーミングセンター)専門店見学会」を開催中。7月4日の第5回は「エーミングジャパン」第1号店の横浜商工(横浜市都筑区・河合昭彦社長)で、リアルとWeb配信を併用して開催された。

 見学会では、スキャンツール「KTS560」、センサー校正作業サポートツール 「DAS1000」(ともにボッシュ)を使ったエーミングの実演が行われた。

 JATTOでは、これらエーミング作業に必須な工具機器を「推奨機器」として認証する。

 この背景には、整備業界が汎用故障診断機(スキャンツール)導入を巡って現場が右往左往した経験がある。スキャンツールは高額商品から廉価版まで多種多様な機器が出回っているが、汎用性をうたいながら、対応できない車種もあったからだ。

 「エーミング作業時間の短縮を図るうえで、汎用性の確認作業はポイント。これから、推奨機器を使った技術提供を会員へwebなどを通じて行います」と藤田理事は語る。

 「推奨機器」を手掛けるバンザイ、イヤサカ、ボッシュといった自動車整備機器メーカーは、協賛会社として、JATTOに参画。協賛会社は、現在20社が入会している。

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