日本のCEOのあり方について日本取締役協会が「べからず集」で苦言を呈す

 日産自動車、三菱自動車が6月の定時株主総会での承認を前提に、監査役会設置会社から指名委員会等設置会社へ移行するなど、自動車業界でもガバナンスのあり方に関心が集まっている。こうしたなか、上場企業・大会社の会長、社長、取締役、執行役、管理職を対象に、コーポレートガバナンスの情報・知識を提供する集まり、日本取締役協会(JACD、宮内義彦会長<オリックス シニア・チェアマン>)CEOを考える委員会が「CEOべからず集」をまとめ、東証1部上場企業のCEOのあり方に苦言を呈した。

 CEOを考える委員会副委員長を務める落合誠一・東京大学名誉教授は「CEOはアメリカの会社法では監督役の『ディレクターズ』と経営に当たる『ディレクターズ』が区別される。これまでの日本の会社の監査役会設置会社ではモニタリングモデルになりにくく、指名委員会等設置会社が選任するCEOではアメリカのCEOに近い形になる」と述べた。

 同委員会では、ガバナンスの中心をCEOの思想、考え方にあるとし、CEOの任務・役割を①取締役会の監督下に、会社経営を行い、その目的達成の責任を負う ②経営の最高責任者として、取締役会が決定した会社の中長期的な企業価値向上のための基本戦略を実現する具体的な経営計画を策定・実行する。③会社の経営目標達成のために、経営の最高責任者としてのリーダーシップを発揮して会社組織を統括しなければならない。とした。

 ところが実際の問題点を「べからず集」として指摘した。社内の出世競争の成れの果ての上りポストにCEO職がなっている。CEOが社内の軋轢や反発を恐れて、企業や事業の生死、取捨選択に関わる果敢な戦略的決断や痛みを伴う変革を自らのリーダーシップで行わない不作為型経営者になっている。形式上CEOがいるが、実際にはさらに実力者(影のCEOのような者)がいるなど。

 どういう人をCEOに選任したらよいかについては①任務・役割を果たすべき資質・能力を有しなければならない ②後継者育成・選抜計画に選定された複数候補者の中から、指名委員会(締め委員会等設置会社は法律で規定)によって選任されねばならない ③取締役会は②により先行された候補者が①を有するか十分検討・確認したうえでCEOを選定しなければならない。とした。

 「べからず集」では、CEO選任が実質的に前任者や歴代CEOたちの専権事項になっている(取締役会や指名委員会はその追認機関に成り下がっている)。相談役など法律上の権限も責任も無い人間がCEO選任に影響力を持っているCEOが当座の自己保身、社内調和や内輪の規範を社会の規範よる優先して重大な不正に目をつむり、本質的な問題を先送りしてしまい、後で大きなツケを払う。と指摘した。

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