日産へ日本取締役協会が緊急意見「日本の上場子会社のコーポレートガバナンスの在り方」

宮内義彦・日本取締役協会会長

 昨年11月に発覚した「ゴーン騒動」をきっかけに、6月の定時株主総会で監査役会設置会社から指名委員会等設置会社へ移行を承認。7月25日の第1四半期では連結営業利益が対前年比99%減。合わせて、従業員1万2500名の削減を発表した日産自動車。

 上場企業・大会社の会長、社長、取締役、執行役、管理職を対象に、コーポレートガバナンスの情報・知識を提供する集まり、日本取締役協会(JACD、宮内義彦会長<オリックス シニア・チェアマン>)が、現在マスメディアなどで取り上げられている日産、アスクルの問題などを受け、「日本の上場子会社のコーポレートガバナンスの在り方、間違った欧米流の資本の論理を是正し、支配的株主の少数株主保護義務についての考え方」を緊急意見として発表した。

 日本取締役協会では、CEOを考える委員会(冨山和彦委員長<経営共創基盤 代表取締役CEO>)で、こうした親子上場のガバナンスの検討をすすめており、「この紛争当事者、関係省庁において、この紛争がコーポレートガバナンスの基本原則に即した事態収拾及び総括、そして再発防止に関する制度整備を行うことを期待する。特に支配的株主の少数株主保護義務については、ルノー・日産、本件と深刻な紛争が続いていることを受け、米国、英国、ドイツなどの先進事例を参考に、金融庁及び法務省に対して、迅速な制度整備を強く要望する」。

 要点は以下の3点

 ① 親子上場は子会社の事業成長を加速するインキュベーション支援機能もあり、それ自体を否定するものではない。

 しかし、ルノー日産の間で問題になっているように、親会社と子会社の少数株主、一般株主との間に利益相反が生じるリスクがあり、それを規律する統治メカニズムが整備され、適正に運用されることは重要である。これは、6月に公表された経済産業省のグループ・ガバナンス・システムに関する実務指針(グループガイドライン)でも示されている通り。そこでは、上場子会社側の独立社外取締役が、少数一般株主の利益を守るために重要な役割を果たす必要がある

 ② しかし問題になっているヤフーとアスクルの間の社長再任をめぐる対立で、アスクルの社長候補の取締役を不再任にしただけでなく、同じ理由で、独立社外取締役まで全員不再任としたのは、親子上場企業のガバナンス上、重大な問題である。支配的株主の横暴をけん制するために存在している、独立取締役を緊急性も違法行為もない状態で解任できるならば、ガバナンスの基本構造が成り立たなくなる。

 ③ ヤフーが問題としている社長選任については、親会社として株主総会において拒否権を持っており、それを理由に独立取締役まで不再任にする必要はない。この不再任は、親子間の利益相反における上場子会社の少数株主保護を独立取締役に託したCGSガイドラインの主旨に明確に反し、独立取締役がゼロになった状況は、金融庁・東証のコーポレートガバナンス・コード上も、独立取締役を置かない場合にその相当性の説明義務を規定する会社法上も、大きな問題状況を生み出している。

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