自動運転を取り巻く環境はここ一年で激変 東京でフォーラム

 日本を含む9地域で組織するクルマの安全性能評価を行うNCAPと業界内外からも注目を集める自動運転とをテーマに、世界のキーパーソンたちが年1回東京に集まり、現状や課題を報告する「NCAP & Car Safety Forum in Tokyo 2018」が、8月1日と2日に都内で開催。初日はNCAPデー、2日目は自動運転デーとして行われた。

 このうち自動運転デーでは、デヴィッド・ストリックランド氏(Self-Ⅾriving Coalition)が「アメリカの自動運転の現状」、デヴィッド・ハーキー(IIHS全米損保協会交通研究所社長)が「IIHSと自動運転の未来」、アンドレ・ジーク(BASt Rating chief of Euro NCAP)が「ドイツとユーロNCAPの取り組み」と題して、それぞれ講演した。

 続いて行われた「自動運転と将来の人間社会」をテーマにしたパネルディスカッションでは、「自動運転に関してこの一年で一番変わったこと」が議題に上り、各パネラーから以下のようなコメントが出た。

 アンドレ・ジーク「ドイツでは昨年6月に法規制が緩和され、レベル2からレベル3へ移行した際、クルマに操作上の事故が起きたときは保険がカバーすることになった。これは、法的に大きな進歩といえる」。

 ロークラン・マッキントッシュ(グローバルNCAP議長)「自動運転に対するワクワク感が高じるあまり、いきすぎの感もある。現状のクルマをより安全にする努力をする必要がある」。

 デヴィッド・ストリックランド(Self-Ⅾriving Coalition))「輸送手段として、市街地走行や高速道路走行などいろいろな走行シーンを想定した仕組みを整えていく必要がある。イノベーションのサイクルを鈍化させてはならない」。

 チャン・D・リユー(Self-Ⅾriving Coalition)「アメリカのウーバーが衝突事故を起こしたことで、自動運転で人が死ぬ可能性があることが示された。メーカーはきちんとした実験を重ねていく必要があることを再認識させられたことで、大きな変化がある一年だった」。

 デヴィッド・ハーキー「テスラの事故も同様にインパクトがあった。メーカーは一致協力して、入手可能な低価格帯で安全なクルマが入手できるよう技術の共有化を図る時期」。

 ユン・ヨンハン(コリアNCAP)「韓国ではレベル2までの自動運転表示と産業化が進んだ」。

 河合英直(交通安全環境研究所NTSEL)「レベル3以上でどこまでの安全性を求めたらよいかの安全ガイドラインについての政府見解が発表される。自動運転がより具体的、現実的になってきた」。

 各パネラーからは、自動運転に関するこの一年の変動を指摘する意見が大勢を占めた。

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