解体事業者など新規参入事業者によるキャンセル、再査定に伴うペナルティのトラブルが急増 JPUC

   自動車買取事業者66法人(1606店舗)、媒体事業者9法人の75社が加盟する中古自動車買取の自主規制などに取り組む一般社団法人・日本自動車購入協会<JPUC、井上貴之代表理事(カーセブンデジフィールド社長)>が、6月17日にJPUC活動報告を発表した。

 今年度のトピックスとして、JPUCが直営するコールセンター「車売却消費者相談室」のトラブル相談件数の増加があげられる。

 月平均受電件数は2020年が15.5件から、2021年は22.9件、2022年は36.2件と増加傾向

 「車売却消費者相談室」は加盟事業者と非加盟事業者問わずユーザーからの相談電話を受け付けているが、JPUC加盟は2018年4月「行動基準違反基準」設定以降0件であるのに対し、非加盟は2020年は186件、2021年が275件となった。

 井上貴之代表理事は「中古車需要の高まりによる新規参入事業者が荒っぽい営業でトラブルを起こすケースが多い。なかでも解体事業者、買取会社からの独立組が目立つ。エリア的には首都圏が多い」と話す。

 トラブル内容はキャンセル拒否に伴う相談が多く、2020年が0.3件、2021年は1.7件、2022年が4.6件(いずれも月平均)で急増中。

 相談事例としては「『契約後はキャンセルできない。買い戻しをしてもらうしかない』と言われた」、「契約書の備考欄に『キャンセルできない』『キャンセル不可』と担当者が記入している」などの声が寄せられている。

 キャンセルに伴う違約金(キャンセルペナルティ)トラブルも、2020年が7.4件、2021年は11.2件、2022年が16.4件と増えている。

 「電話で口頭契約後、翌日キャンセルを申し出たところ『一律3万円の契約解除手数料が発生いたします』と言われ、請求書が届いた」、契約書の備考欄に『お客さまからの一方的なキャンセルは契約金額の20%をいただきます』と追記された。キャンセルを申し出たら20%の違約金を請求された」と、ユーザーへ法外な金額を要求する事例があった。

 減額や契約解除といった再査定相談は、2020年が4.9件、2021年は5.3件、2022年が7.4件と増加傾向。

 「トラブルを起こす解体事業者は、あらかじめ減額想定していて、電話一本で現車を見ないで査定している」と井上代表理事は言う。

 「査定時に損傷個所を申告し、担当者に確認してもらって契約したが『想定より損傷が酷い』との理由で、支払代金を返すよう要求された」という相談があった。

 急増中の非加盟事業者によるトラブルについて、JPUCはどう考えているのか。

 井上代表理事は「『中古車買取り事業者トラブルに関する一括査定理事媒体での自主的な取り組み』。つまり、比較サイトに参加している悪質な買取り事業者に対し具体的な基準を設け、媒体事業者側としてさらなる消費者保護を目的とした取り組みを検討しており、運用にあたり慎重に論議を進めております」と説明した。

 買取事業者の寡占化が進む

 JPUCでは、webサイト年間査定申込件数を調査している。

 買取り事業者は2017年33万723件から2021年105万5296件で5年間で3倍以上増加。逆に媒体事業者は2017年159万4390件から111万8480件で3割以上減少

 井上代表理事は「買取り事業者と媒体事業者の比率は来年には逆転するでしょう。有力な買取り事業者が査定機能ができるよう自社HPに投資しているからで、買取業界はこうしたシステムに投資できる大手4社程度へさらに寡占化が進むだろう。その流れは中古車業者より早い」と予測した。

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