重点事業にカーボンニュートラル、ローカル5G、半導体 JEITA綱川智会長が就任
一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、6月2日に「第11回定時社員総会」を開催。1年間の任期満了を迎えた石塚茂樹会長(ソニー副会長)に代わり、綱川智(東芝 会長 代表執行役社長 CEO)新会長が就任した。
綱川会長は、1979年東京大学教養学部卒業後、東芝に入社。東芝アメリカメディカルシステムズ社長を経て、2016年に東芝取締役代表執行役社長に就任。
6月3日、リニューアルされたJEITA新オフィスからオンラインで会長就任会見を行い、以下のように抱負を述べた。
「2021 年度の重点事業は、カーボンニュートラル、ローカル 5G、半導体。
5Gは昨年、JEITA が事務局を担当し、JEITA会員以外の多数の団体・企業も構成員とする「5G利活用型社会デザイン推進コンソーシアム」を発足させた。ローカル 5G は、通信の民主化ともいうべきイノベーション起点となる重要規格であるとの認識のもと、超える幅広い業界・業種メンバーが集い、『ローカル 5G 入門ガイドブック』を公開するなど、事業創出や市場の活性化に繋がる取り組みを推進している。
半導体もテーマのひとつ。Society 5.0 の実現に向けて、データ駆動社会の縁の下の力持ちとなるのが半導体であり、技術開発はもちろんのこと、今後は、半導体ユーザー企業や関連産業とのコミニケーションや連携を図りつつ、サプライチェーンの強化などにも取り組む。
会員企業の事業環境の観点から、目下のテーマとなっているのが「カーボンニュートラル」。
「with コロナ」「after コロナ」の世界では、あらゆる市場において、デジタルを使った新たなビジネスモデルを見出したところに利益が集中する事象が起きている。特にカーボンニュート ラルについては、単なる環境問題、エネルギー問題として捉えるのではなく、これまで世界全 体で急加速してきたデジタル経済の覇権争いが BtoC から BtoBの領域にも広がり、対応次第では、市場からの退出をも強いられる事案であると認識すべき。工場やオフィスなどにおいて デジタルをフル活用することによって、エネルギーの有効活用のみならず、産業・企業活動 全体を最適化することがポイントになる。これはまさにデジタルトランスフォーメーションを 進めるマイルストーンにもなるもので、デジタル産業があらゆる産業に貢献できる事案である と考えている。
だからこそ、「Green × Digital」は率先して取り組む事業の一丁目一番地。サプライチェーンの100%カーボンニュートラル化を実現するためには、ユーザー企業を含めた川上から川下までの実効性が求められているほか、デジタル技術による「Green by Digital」ともいうべき、カーボンニュートラルに貢献するテクノロジーの活用が欠かせない。材料から部 品、機器、そしてデジタルサービスの企業が集う JEITA は、その特性を生かし、ユーザーとなる企業とともに、デジタル技術を使った脱炭素化に向けた議論を行うための横断的な新たな組 織、「Green×Digital」コンソーシアムを、上期中をめどに新設する。この新組織が既存製品や市場、脱炭素化に向けた取り組みの司令塔となり、ルールや規制など、デジタルを使った 新たな今後の市場の在り方、議論を行っていく方針。またこの組織の立ち上げ準備をするため、事務局内に 5 月 1 日付で「グリーンデジタル室」を設置し、専任職員を配置した。今後、詳細検討を進めることから、具体的な取り組みについては、また改めて発表させていただく」。
JEITAオフィスリニューアルについては「新型コロナウイル ス感染症を契機としたリモートを前提とする新たな社会に対応し、400 を超える部会・委員会 の会合をオンラインに移行するとともに、事務局職員の働き方を在宅勤務等のテレワークを基 本とするなど、デジタル技術を活用した新しい働き方への移行を進めてきた。大きく変化した のがオフィスの在り方。JEITA のオフィスは、もはや単に会議や作業をする場所ではなく、会 員ならびに事務局職員などの関係者が「リアルコミュニケーションによる共創を生み出す場所」 として再定義し、目的に合わせて最適な環境で働けるよう、オフィスリニューアルを敢行した」と述べた。
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