デイズ/ekワゴンがRJCカーオブザイヤー インポートはBMW3シリーズ

デイズ/ekワゴンがイヤー賞

                「X2の次は3シリーズ」BMWがインポートオブザイヤー

 「第29回・2020年次RJCカーオブザイヤー」(主催・特定非営利活動法人 日本自動車研究者ジャーナリスト会議)のテストデーと最終投票が、11月12日にツインリンクもてぎで行われた。RJCカーオブザイヤーは、前年11月1日から今年10月31日までに発表された新車、FMCされたモデルおよびそのクルマに搭載されたテクノロジーを対象に、選考委員が自動車の性能や利便性などの評価を行い、その年次におけるもっとも優秀な自動車とその技術を顕彰する。

 国産車が対象になる「カーオブザイヤー」はノミネート車11台から、11月1日の第1次選考会で、日産/三菱自動車デイズ/ekワゴン、ダイハツ・タント、ホンダN-WGN、トヨタRAV4、日産スカイライン、マツダMAZDA3が6ベストに選出。最終投票の結果は第1位デイズ/ekワゴン(224点)、第2位タント(194点)、第3位N-WGN(152点)となり、デイズ/ekワゴンがイヤーカーに決定した。

 輸入車を対象にした「同・インポート」には全13台のエントリーからBMW3シリーズ、1シリーズ、Z4、ボルボV60クロスカントリー、レンジローバーイヴォーグ、VWゴルフDEモデルが上位6台に選ばれた。最終投票の末、第1位BMW3シリーズ(245点)、第2位ボルボV60クロスカントリー(186点)、第3位BMW1シリーズ(170点)となり、BMW3シリーズが受賞。BMWは昨年度のX2に続いて2年連続の栄冠。

 ニューモデルに搭載された新しい技術を表彰する「テクノロジーオブザイヤー」は、日産スカイラインに搭載されたプロパイロット2.0が選ばれた。 

 特別賞は、EVの急速充電方法「CHAdeMO(チャデモ)」に決まった。

 【イヤーカー試乗記】

ちょい小さめのブレーキペダルには「スモール・バッド・ビューティフル」精神が宿る 宮内正人

 昨年度の「SUV対決」に続いて、今年度デイズ/ekワゴン、タント、N-WGNの「軽自動車対決」を制したのは、記者も最高得点(6点)を付けたデイズ/ekワゴン。

 軽ハイトワゴン、デイズ/ekワゴンは、日産と三菱自動車の合弁会社NMKVの第2世代車。

 「技術の日産が、軽市場を変える自信の一台です」と胸を張るだけあって、現状の日産車のラインナップに装着される運転支援装備――軽自動車初の高速道路同一車線運転支援技術「プロパイロット」(三菱自動車では「マイパイロット」)、「インテリジェントエマージェンシーブレーキ」、「踏み間違い衝突防止アシスト」、「インテリジェントアラウンドビューモニター」、「ハイビームアシスト」――を惜しげもなくすべて搭載。さらに、9インチナビ装着車には、交通事故や急病など緊急時や事故の危険があると時などに、専門のオペレーターへのデータ通信と音声通話を行うことができる「SOSコール」を、日産車で初めて採用した。 

 「軽だから先進装備は我慢」というフレーズは、令和時代のデイズ/ekワゴンには当てはまらない。

 さらに、プラットフォーム、エンジン、CVTなどを新開発したことによって運転のしやすさと楽しさを大きく向上。女性ユーザーを意識した使い勝手の良い収納スペースを備えた。

 今年の3月発売いらい、10月末までの販売台数は約6万台。

 6年ぶりにFMCされた新型車では、マーケティングを重視した点が成功の要因だろう。

 先代モデルユーザーからの改善要望点である①出足や追い越しの加速 ②荷室の大きさ、使い勝手 ③小物入れの少なさをクリアするとともに、通勤や通学に加え、レジャ―用途の長距離移動にも対応できるファーストカーとしての役割も担える一台に仕上げた。

 ① 加速に関しては、新パワートレインを搭載。新開発BR06エンジンはトルクを最大15%アップし、NA車(X)でもターボ車(Gターボ)と遜色ないだけの信号待ちや合流時の発進加速を実現した。新開発CVTによるDステップ変速により、シフトアップに伴う加速が体感できるよう設定された。もう、軽だから0発進で併走車に追いていかれる不安は感じさせません。走りに特化すると、軽のウリである燃費への影響が心配されるが、セレナに採用しているバッテリーを鉛酸電池からリチウムイオン電池に切り替えた新S-ハイブリッドシステムにしたことで、WLTCモード21.2㎞/Lを実現した。

 ② 荷室スペースの改善については、新プラットファームの採用が大きい。旧型よりホイールベースを65㎜拡張。加えて、エンジンルームを82mm前方に移動させることで、広い室内空間と荷室スパースを確保した。とりわけ後席の足元は上級セダンのフーガ並みの広さ。荷室スペースは旧型より135㎜奥行きを拡大。スライドレバーで後ろから簡単にスライドできるようにした。年間新車販売トップのN-BOXを十分に研究した成果といえよう。

 ③ 収納スペースの充実も大きなウリ。前席周りの収納数は15を数え、競合車を凌駕するが、数以上に頻繁に使うスマホトレイやドリンクホルダーは「見せる収納」、めったに開けることがない助手席ドアに設置した車検証入れは「隠せる収納」と区別した点はポイントが高い。

 唯一気になったのは、やや小さめのブレーキペダル。

 デイズ/ekのドライビングポジションは軽自動車のメインユーザーである女性を意識した設え。小柄で前傾ぎみに着座する女性ドライバーが、足全体でブレーキが踏み込める角度にブレーキペダルを設置したためだ。

 これまでの軽自動車に多く見受けられた「お弁当箱型」のブレーキペダルと比べると、面積自体が小さく、一見ではやや心もとなく感じる。ブレーキは

 ピンポイントで制動させるので、効き具合は何ら問題ないレベル。デイズは4回、ekワゴンには1回、日時を置いて試乗したが、最初は心もとなく感じたブレーキペダルにも、違和感が無くなってきた。

 現状、自動車業界は変革期にあり、多くのメーカーは車種構成の見直しを迫られている。

 三菱自動車では益子修前CEOが「スモール・バッド・ビューティフル」=「小さくても、キラリと光る会社」という方向性を示し、加藤隆雄CEOもその路線を継承。内田誠CEOの下、20年弱続いたゴーン体制からの再スタートを期す日産も、車種構成の選択と集中は必須だろう。

 多くの面積(車種)を示さなくとも、ピンポイントで効果を出すデイズ/ekワゴンのブレーキペダルには「スモール・バッド・ビューティフル」精神が宿っている。

                   テクノロジーオブザイヤー「プロパイロット2.0」

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