群馬積層造形プラットフォームが金属積層造形の「探索マップ」を発表
二輪用シリンダーヘッド(共和産業)
日本ミシュランタイヤ(須藤元社長)が加盟する「一般社団法人群馬積層造形プラットフォーム」(GAM)が、5月17日に群馬県庁で活動成果に関する技術報告会を実施した。
2021年7月、ミシュランと群馬県下の有志企業は、次世代イノベーションを担うオープンプラットフォームとしてGAMを設立。2022年4月にはミシュラン太田サイト内に金属積層造形装置(金属3Dプリンター)2 台を設置し、活動拠点となる「ミシュラン AM アトリエ」を開設。これまでの2年間、GAM は「ミシュラン AM アトリエ」をベースにデジタルモノづくり人材を育て、技術者のリスキリングを積極的に行うほか、GAM メンバー企業と共に積層造形技術の実用化を目指す共同開発に取り組んできた。
報告会で、今年新規メンバーとなった群馬県立産業技術センターとフランスの国立産業技術センターにあたるCETIM(セティム)と連携し、今後のGAMの積層造形技術開発の探索テーマと方向性を示す「探索マップ」を発表した。 GAMで最初に取り組むテーマは、「コンフォーマル冷却金型」と「少量生産品」への金属積層造形の適用。コンフォーマル冷却金型とは、形状に適応した冷却配管を内部に持つ金型で、冷却効率と生産効率が高い特徴を持つ。これらのテーマの追求により、日本の製造業において、金属積層造形が今後どの領域に有意性があるのか、どのように企業課題や社会問題の解決に繋がるのかを明確化する。
「探索マップ」は、GAMが金属積層造形をものづくりに実装し、新たな価値を生み出すに至るまでの道筋を示すマップ。「GAM の取り組むテーマ」、「価値を実現するための方策」、「乗り越えるべき課題」、「AM のもたらす新たな価値(ゴール)」の4つのステップで構成され、このマップを元に共同開発を行いながら、課題や解決の方策を明確にする。そして柔軟にマップを更新しながら、志を同じくする仲間と新たな価値創造をめざす。
須藤元・日本ミシュランタイヤ社長は「本年夏の本社の群馬移転に先行して、GAMとともに今回の共同開発成果報告ができ、群馬県の仲間となったことを実感しています。ミシュランはタイヤメーカーというコアを持ちながら、『タイヤを超越した』分野でも積極的に協業の可能性を探っています。成功には、ミシュランの専門知識に加え、高い専門性を持つ外部企業の皆様とのコラボレーションが不可欠です。これからも、金属積層造形を皮切りに革新的な技術と『わくわくする展開』を群馬から発信し続けます」と述べた。
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