日本取締役協会 「CEO ガイドライン」「CEO べからざる集」を策定
「Corporate Governance 」2021年4月号掲載
日本取締役協会(宮内義彦会長)は、上場各社が「CEO ガイドライン」およびコーポレート・ガバナンス・コードの改訂、東京証券取引所の上場区分の変更など、求められるガバナンスが変化する状況下で、改革を進め、会社業績向上の主役としての役割を果たすべき、経営トップ(CEO)の任務・役割に関する指針をとりまとめた「CEO ガイドライン」および「CEO べからざる集」を策定した。
日本取締役協会のCEOを考える委員会(冨山和彦委員長)が、2018年5月から6回の会合を重ね、その検討結果がまとめたもの。「CEO ガイドライン」は、CEO は何をすべきかに関する積極的な指針であり、他方、「CEO べからざる集」は、CEO は何をすべきでないかに関する消極的な指針である。
指針では、これまで十分に分析されてきたとはいえないCEOの選任方法、後継者育成・選抜計画の策定・運用について、独立社外取締役を含む指名委員会において行うとしている。取締役会は会社内外の人材を見渡し、相当な期間をかけて選抜すること、その能力等の人物本位であることはもちろんのこと、公平性、納得性、透明性のある制度として構築・運用されているかを監督すべきだとしている。
CEOの行動規範については「CEOべからざる集」として、何をすべきでないかもわかりやすく例示している。
たとえば、「CEO ガイドライン」ではCEO の任務・役割に関して、CEO は、経営の最高責任者として、取締役会が決定した会社の中長期的な企業価 値向上のための基本戦略を実現するための具体的な経営計画を策定・実行するとした。
これは、会社の「中長期的な企業価値向上のための基本戦略」は、「取締役会」において決定されなければならず、他方、「CEO」は、その「基本戦略を実現するための 具体的な経営計画」を最高指揮者として策定・実行すべきこと、またその策定・実行につき最終的な責任を負うべきことを示す。すなわち、独立社外取締役と CEO で構成される「取締役会」は、社内外の知見を総動員して基本戦略を決定するが、その基本戦略を実現するための具体的な経営計画の策定・実行は、「CEO」の責任となる。
なお、ガイドライン全文は、雑誌「Corporate Governance 」2021年4月号(2021/4/20発売)、8月号(2021/8/31発売)に掲載する。
冨山和彦委員長は「まずは『べからざる集』にあるやってはいけないことをやめることが第一歩になるでしょう」と語った。
3月22日にオンライン説明会
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